雛人形専門店工房ひな雛、五月人形と鎧飾り・兜飾りの工房真でお客様にご提供する商品には、様々な専門の会社様や職人が関わります。
関わる方々にはそれぞれ想いやプライドをもってご自身の専門の仕事をこなしていただいていますが、工房ひな雛や工房真でお客様に商品を提供する時は当然完成した品となるため、なかなか分かりずらい点があるかなと感じています。
「人の手と想いが紡ぐ品」シリーズでは、なかなか知る機会のない、そんな細かな品や引き立て役の品それぞれの製作工程や関わる方の想いについて少しでも知っていただければと思っております。
飾り台は全て木製、古来からと同じ製法の品
工房ひな雛の”雛人形”や工房真の”五月人形”は全て職人の手作りの品。
節句人形や飾りとして必要なものや、構造上やむを得ないもの以外は原則として古来からと同じ国産の原材料、同じ製法にこだわって企画・製作を行なっています。
雛人形や五月人形は”ご家族のお子様への想いが込もったもの” だからこそ、作り手である我々から提供する品も “職人の想いが込もり、人の手を介したもの“でありたいと考えているからです。
そのこだわりは、雛人形、五月人形、甲冑以外の飾り台、屏風、小物などにおいても同様です。 なかなかちょっと見ただけでは違いが分かりにくい点ではありますが、 弊社の理念として掲げる”ずっと、そっと、見守れるように。美しく、丈夫で良いものを。”にも通じる点です。
飾り台を製作する職人を訪ねて
今回、雛人形や五月人形の飾り台編と題して紹介するのは、弊社商品の飾り台を多く製作いただいている 富山県高岡市に事業所を構える株式会社駒井漆器製作所様。
漆器の町として名を馳せる高岡らしい塗りの品から、 ナチュラルな木目の品まで多種多様な品の製造を全て手作業で実現しています。 代表の駒井社長は自身も高岡漆器の伝統工芸士として確かな技術と豊富な経験をもつ職人です。
専門の職人が実現する高品質な飾り台の製造工程
①工房ひな雛、工房真の飾り台は木製であるため、木材を飾り台の形にするための整形から作業を行ないます。
同じ形になるように当然機械を使用する場面はございますが、一つ一つ丁寧に人の手を介して作業を行なっています。
②飾り台向けに整形した木材は、丁寧に研磨を行い、より精緻に飾り台としての形づくりを行います。
③整形と研磨などが完了後に塗り付けを行います。塗り付け作業は、下塗り、本塗りなど塗料によって何度か重ね塗りを行い、均一でムラのない仕上げとなるように手間をかけて行います。
細かな塵や気泡などがあると飾り台自体の仕上がりに大きく影響するため、目視と手作業で入念なチェックを行います。
木目のナチュラルな飾り台でも、長く綺麗にお飾りいただけるように 色がない特殊な塗料の塗り付けなどを行なっています。
④塗り付け完了後、しっかりと乾燥させて完成です。
伝統的を継承し、次の道を模索する
1940年に富山県高岡市で高岡漆器の木地製造業として創業し、現在では木地作りから塗りまでを一貫生産ラインで製造を行っている駒井漆器製作所様。駒井社長は、自社と漆器商品について、
「時代と共に変化する生活スタイルの中で、顧客の様々な要望に応え続けて三代目。漆塗りの仕上がりは鏡面のような美しく、木地から塗りまでを一貫生産できるところは全国的にも数少なくなっております。機械による大量生産とは異なる工芸品としての一貫生産による多種多様な商品や品質の高さが強みであり、節句人形向けの飾り台などの製造においても国内最高峰のクオリティがあると考えております。節句人形において飾り台は主役ではないかもしれませんが、欠かすことのできない主役を引き立てる大変重要な品です。是非細かな手工芸ならではの味わい、クオリティや色や柄などにも注目して見ていただければ幸いです」と言います。
節句人形の向けの飾り台などに止まらず従来の高岡漆器らしい技術を活かした製品の製作などを通して伝統が新しいことを作ることにも積極的に取り組んでらっしゃいます。駒井漆器製作所様ご自身の製品なども是非ご覧下さい。